2004年03月06日 (土曜日)

Low Risk, High Return の Japanese Eliteとは

これは、shintaroさんのコメントへのコメントだが、コメント欄ではイメージやquoteを使えないので、「私の意見」ではないのだが、エントリを使うことにする。

私がJoiの講演(2003/5/7@XMLコンソーシアム)から引用させてもらった「Low Risk, High Returnのグループ」=「Japanese Elite」の実際の内容だ。以下は、Joiの講演の該当部分の引用(要約、本人了解済)である。

Click for large imageアメリカの西部劇では、だいたい悪い奴が出てきて、Sheriffが悪い奴を捕まえる。そして、みんながその悪い奴をリンチにしようとするとSheriffは「待て」と言って裁判にかけさせて処罰する。このprocessにこだわるところが、いかにもアメリカ的なJusticeだと思う。日本では、水戸黄門というおじいちゃんがいて、ちゃんばらしているところに突然印籠を出す。そうすると良い奴も悪い奴も「ははーーっ」とひれ伏す。そこで何故ひれ伏すかということをアメリカ人には説明できないが、我々はすんなり受け入れられる。 これは、日本には「お上」というのがあって、「お上」がくればなんとかなる、とにかく「お上」に従えばいいという文化が我々の中にあるということだと思う。日本のEliteにも同じようなところがあって、Eliteはなぜ偉いのかわからないけど、とても偉いんだということを受け入れている。recursiveな「偉いから偉いんだ」という要素が多々ある。日本のトップ4%の大学が、日本の上場企業の社長の32%をおさえている。こういうEliteが中心にいて、リスクを取らないでそういうポジションに入って大企業のトップをやってると、なかなかinnovationとかdemocracyを推進するような立場にならないのではないか。日本は戦後一度purgeがあってリセットされたが、以降日本には偉い人は増えている。一旦偉くなった人が偉くなくなるケースは少ない。トータルな比率からすると偉い人は増えていてLow Risk, High Returnのエリート層が増えている。

Click for large imageこの絵は、riskとreturnの関係の図。左下から右上に伸びている黄色い線がoptimal return。リスクをたくさんとるとリターンも大きくて、リスクを取らないとリターンも低いという線で、基本的にはこの線上に乗るべきなのだけれども、日本は偏っていて、Eliteの人たちがいっぱいいて、リターンは高いけれどもリスクは少ない。その分リスクとっても失敗するかもしれないベンチャーは少ない。下請けみたいな会社というのは、リスクは少ないけど、それほどのリターンはない。Eliteになれば、特に何も貢献してなくてもEliteとしてきっちりしているだけで、高いリターンがある。日本は、そういうEliteをたくさん育てている中で、risk takingな人たちはなかなか育たない。なぜなら、こういうdistributionがあれば、当然Eliteの箱に入ったほうが賢いわけだ。それをバランスして黄色い線の上に揃えていく必要がある。しかし、例えば「揃えていく必要がある」と言ったって、私の話を聞いてEliteの人たちが、「はいわかりました。みんなに譲ります。」というのはありえなくて、結局革命でも起きないと変わらない。

引用としての正確さを期すために、講演のビデオを再度見て要約したが、あくまでも私の要約なので、本人の趣旨と違うところがあるかもしれないことをあらかじめお断りしておく。

Posted by Pina Hirano at 2004年03月06日 00:01 | トラックバック はてなブックマーク - Low Risk, High Return の Japanese Eliteとは このエントリーを含むはてなブックマーク
Comments

Pinaさん、ありがとうございます!

僕の大学の友人のほとんどはいわゆる大企業に行きました。当時は、正直言って、なぜ大企業に行くのか分からなかったのですが、「Japanese Eliteは、Low Risk, High Returnだからだ」と言われると、現在の彼ら彼女らの待遇やポジションを見た後では納得が行きます。無知だからこそ、ベンチャーを選べたのかも(苦笑)。

Posted by: shintaro at 2004年03月06日 10:44
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