2006年05月14日 (日曜日)

技術者の採用と事業計画

一部で話題になっている技術者採用問題。既にいくつものブログで指摘されているように「頭数」には私も違和感を覚える。事業計画では人数を見積もったかも知れないが、クリエイティブな仕事を期待しているのであれば、頭数と結果は連動しないのは私が述べるまでもない。

しかし、この話は他人事ではない。

うちの会社では創業時から事業計画の中に技術者の増員計画を書いていた。しかしながら、技術者の採用は計画通りに進まなかった。投資家からは、人数が計画より少ないのは問題ではないかと指摘された。実は、技術者の応募はそれなりにあったのだけれども、共同創業者で開発トップの北原は来る応募者をことごとく落とし続けた。その状況に、私もかなり不安になったりしたのだが、北原は「ソフトウェア開発は人数ではない」と言い続け、貫いた。結果として、いまでは250社を超える会社に使っていただいているASTERIAをゼロから作り上げることができたし、QmailとかLimeChatといった人気ソフトの開発者も次世代のソフトウェア開発を受け持ってくれている。

元ソフトウェア技術者の私でも、経営者として先生と名の付く方々や投資家の皆さんといつも接していると、そちら側の価値観、考え方に流されそうになることがある。1人で日本語ワープロを開発した経験などからソフトウェア開発が人数ではないことは身をもってわかっていてもである。しかし、やはりソフトウェアの出来不出来は、理論や計算式では求められない。時に流されそうな私だけの考えで技術者の採用をしていたら、うちの会社にいる技術者の顔ぶれは違っていただろう。いまでは北原の信念だけでなく、社内のモノ言う技術者連中の思いや志も私の強い支えとなって、先生方や株主の人たちに自信を持って説明できる。私自身も技術者スピリットをキープすることができる大変有難い状況だ。

上場企業の経営者は計画と結果が乖離した場合、常にその理由を求められる。それを事業計画上の別の数字と結ぶ付けるのは説明がシンプルだし外部の人にもわかりやすい。そう考えると、実は今回の問題は、説明上のポーズということはありえないか?説明の材料として人員計画の進捗を挙げ、それに対するアクションを公言する。本気で優秀な技術者がネックだと考えなかったから、今回のような発言になってしまったということはないか?もし、事業が進捗していない本当の理由が別のところにあるとしたら投資家にとっては、技術者の話よりそちらの方が問題が大きいのだが、、、そうではないことを祈る。

<関連エントリ>
技術者を頭数で数える奴が報酬を弾むかな - 雑種路線でいこう
理解を求めるな、報酬を求めよ - 404 Blog Not Found
藤田さんの技術者採用の話 - naoyaの日記
IT企業には技術者と経営者の両方と話せるバイリンガルが必要 - 仙石浩明CTO の日記

Posted by Pina Hirano at 2006年05月14日 19:25 | トラックバック はてなブックマーク - 技術者の採用と事業計画 このエントリーを含むはてなブックマーク
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