2006年05月25日 (木曜日)

NILS 2006 Spring - 第1日目 〔セッションメモ〕

NILS (New Industry Leaders Summit)に参加している。第4回の今回は初めてリゾート以外の札幌市の外れのホテルである(笑)。

今回は、海外からZimbraScott DietzenSocialtextRoss Mayfieldを呼ぶなど、回を重ねる毎に充実してきているのがわかる。NILSの各セッションはビジネスを自らリードしてきた経営者、直接携わった責任者の話が多く、場の雰囲気からか具体的な本音の話も結構聞けるので大いに参考になる。さて、私の参加したセッションで耳に残ったことや感想を書き綴ってみたい。

まず最初は、「Zimbra - Enterprise Web 2.0」というセッション。これは、「ドリコム - Post IPOの経営戦略」の裏チャネルだったのだが、企業でのWeb 2.0的潮流の活用をエバンジェライズしている身としては、こちらを選択。講演者は、Zimbra社CTOのScott Dietzen。Scottは、元BEAのCTOだった人でJ2EEの世界では有名人だ。Scottはまず、企業ユーザーの生産性の課題はメールにあると指摘。Radicati Groupの調査では、ビジネスマンの30%以上の時間がメールに費やされていおり、これは一日3時間のも時間をメールの処理に費やしていることになると。自分自身もメールの時間をもっとうまくマネージできれば生産性が上がると実感しているとした。そこで、登場するのがメールをベースとしたAjaxクライアントZimbraだ。Zimbra自体は以前に記事で読んで知っていたのだが、作った本人に、メール、カレンダー、などをフロントとして地図などのWeb上のリソースや、注文書などの社内リソースとのマッシュアップをサクサクとこなしていくライブデモをされると圧巻。セッション終了後、参加者からも「Ajaxであそこまでできるのか・・・」と驚きの声が上がっていた。次回から、Web 2.0関係の講演があるときの飛び道具デモはこれで決まりだ(笑)。

次は「Open Source Softwareの市場戦略」で、裏チャンネルは「ウィルコムの事業展開-進化するPHS-」。講演者は、Palamida CEOのMark TolloverとSocialtext CEOのRoss Mayfieldに加えて先ほどのScott Dietzen。通訳として帰国中の江島健太郎も登壇。まず、Markが、Palamidaが提供する"IP Ingredients"の考え方を紹介。OSSが普通に使われるようになった現在、ソフトウェアのソースコードの中にどんなOSSが含まれているかをチェックして表示するツールだ。Markは前職のSunにおいてNetscapeからNetscapeのサーバーソフトウェア群(iPlanet)を買った際に中身を精査するのに3年かかったという経験を持ち出し、今後、M&Aや自社開発においてもソフトウェアの内容物が何なのかわかっていること=Transparencyが極めて重要だと強調した。今後コンプライアンスが厳しくなるとこういった考え方や支援ツールが普及してくるかも知れないと感じた。他に印象に残ったことは、Rossが、Web 2.0は「侘寂(わびさび)だ」と言ったこと(笑)。意味は、Web 2.0的なものは、imcompleteであり、imperfectであり、impermanentであって、これらの良さがわかるということが、Web 2.0なのだと。また、Web 2.0とOSSの共通点は、"share control to create value"であるとした。ネットエイジの西川さんが「OSSがどんどん広がるということは、結果的に経済的市場規模が縮小するということではないか?」との質問に、Scottは、同じことをやっていくのであれば必然的に縮小する。新しいことをやることで新たな市場ができて規模が大きくなるとした。また、Rossは「Elephant's Dilemma」を持ち出して説明しようとしたが、聴衆にはわかりにくかったかも?

3つ目のセッションは「The war for talent」、激化する人材獲得競争についてだ。講演者はワークスアプリケーションズCEOの牧野さんと、サイバーエージェント社長の藤田さん。藤田さんは、最近のエンジニア採用エントリ炎上問題で笑いをとりながらスタート。モデレータの岡島さんが両社の採用戦略、育成戦略の特徴を解説しながらの進行となった。ベンチャーといえども両社とも既に500人を超える規模の会社。採用は、即戦力よりもポテンシャルを重視し育成に力を入れていることがわかった。また、一見逆に見える牧野さんと藤田さんの採用・育成戦術だが、2人の代表者が極めて多くの時間を採用と育成に費やしていることも肌で感じた。今後の社員採用・育成に大いに参考になった。以下、印象に残ったことをメモ。
【ワークスアプリケーションズ(牧野さん)】
・メディアへの露出も広報もすべて採用のため。
・うちは、夢も、報酬も与えない。与えるのは成長。
・ビジョン共有は1ヶ月の植えつける自信があるから、採用の時にビジョンに共鳴していなくてもいい。よっぽど地頭の方が重要。
・オフィスのクオリティを重視。ただし、「居抜き」で借りてコストはあまりかけない。
・制度や準備が揃ってからインターンや新卒採用を始めた訳ではない。資料が揃ってないときは、「資料が全部会社から貰えるなんて甘いことを考えるな!」と言ったこともある(笑)。
・採用には年間6億円程度使っている。
【サイバーエージェント(藤田さん)】
・「即戦力が取れない」とぼやく経営者はバカ。
・2駅ルール(会社のそばに住む)採用。2駅以内の居住の場合には住宅手当を出す。
・社員紹介制度がある。1名紹介につき30万円。現在キャンペーン中で60万円。

懇親会では、ウィルコムの最新機種が当たるというお楽しみがあったのだけれども、「最低1年間の契約が条件」と言う。「街中の1円販売と同じでありがたみがない」と会場の一部でブーイングが漏れた(笑)。しかし、高校の後輩でインディソフトウェア社長の野津さんが当選。本人は満面の笑みを浮かべていた。

Posted by Pina Hirano at 2006年05月25日 23:59 | トラックバック
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