2006年06月02日 (金曜日)

Web 2.0商標登録の影響範囲はどこまでなのか?

「Web 2.0」の登録商標問題が業界内で注目の話題となってきている。私もソフトウェアベンダーを経営する身として商標の問題はヒトゴトではない。この問題について本家O'Reilly社のブログで、いよいよTim O'Reilly本人が登場し、経緯と考えの説明を行い、ブログ界での「炎上」もだいぶ整理されてきたようだ。さて、この問題、現実的にこの影響の範囲はどこまでなのだろうか?

今回の登録とその範囲について、Timに先立って弁明を行ったO'ReillyのVP of CommunicationsであるSara Wingeのコメントによると、

We're not claiming exclusive use of "Web 2.0" in all contexts. Our service mark applies only to "Web 2.0" when used in the *title* of "live events" such as conferences and tradeshows.

となっており、「Web 2.0がライブイベントのタイトルとして使用された場合」と、かなり範囲を絞り込んでいる。また、Timの言及でも、

Just to be clear, neither CMP or O'Reilly is claiming the right to all use of the term Web 2.0, as some of the posters assert. We just want to keep other conference companies from putting on events that trade on the name and concept that we created. And don't tell me it's not possible to have a Web 2.0-related conference without using Web 2.0 in the name! Microsoft's Mix 06, Google's Zeitgeist, the Ajax Experience -- these are all web 2.0-related conferences that don't use the name.

としており、「Web 2.0がライブイベントのタイトルとして使用されたとき」とする背景として、(CMPの競合である)他のカンファレンス企業での使用を背景としたもので、そういった場合に必ずしも「Web 2.0」という単語を使わなくてもイベントが可能であるとしている。また、商標の運用については、

We created a meme that has legs beyond the conference space, and there's a real tension between the desire to protect the trademark on the conference and the desire for people to talk about, meet about, and otherwise engage with what has turned out to be the name for the next big thing in the computer industry. This is clearly a problem that we'll need to figure out. We're hoping we can come up with some guidelines that help balance these two factors. Mozilla's trademark page is a good example of the kind of balancing act that is required.

として、ガイドラインの必要性に言及し、そのガイドラインとして具体的にMozillaが規定している商標ポリシーが良い参考になるとしているので、イベント名以外の使用において、今回のように「警告」を受けるようなことはないと考えていいだろう。しかしながら、ビジネス上の慣行もしくはマナーとして「Web 2.0は米国におけるCMP Media社の登録商標です。」と書くことになるかもしれない。

さて、自社の問題に立ち返ってみると、インフォテリアはイベント運営会社ではなくソフトウェア開発会社なので、その活動に大きな支障を来たすことはなさそうだ。一方で、当社が属しているXMLコンソーシアムでは様々なイベントを実施している。しかも「Web 2.0 勉強会」「Web 2.0 Day」などと「Web 2.0」をタイトルに入れたイベントを既に実施してしまっているのだ(笑)。O'Reilly社の言説を読む限りでは、これらは名称を変えるか正式にCMP(日本の場合は、メディアライブジャパン?)の許可を得る必要があるということになるが。。。これは悩ましい。。。

そして、一番この問題が関係してくるのは、IT系のイベント企画・運営を行う企業ということになる。国内で代表的な企業としては、IDG、日経BP、翔泳社などといったところだろうが、これ以外にも「Web 2.0 ナントカ」というイベントを企画しているところは多いだろう。これらのイベントは、Timの言うように「Web 2.0」を含まないタイトルにするか、許諾を得て使うということになるのだろう。

ところで、Timの登場でブログ界での「炎上」が鎮火したかというと、そう簡単ではない。Tim本人の説明を受けて、好意をもって受け止めている人も大勢いるが、まだ問題がくすぶっている。例えば、

  • 他の多くの会社がそうしているように、申請当初(2003年)から(tm)をつけておくべきだった。
  • Timがブログ界での批判を「mob」(=統制が取れない群衆、暴徒(英辞郎より))と呼んだのはけしからん。
  • やり方がWeb 2.0的ではない(笑)。
というわけで、まだまだ話題が続く様相ですが、それだけCMPとO'Reillyが使い始めた「Web 2.0」というワードの持つ影響力が大きいという証拠でもある。

[本エントリはAlternative笑福来福とのデュアルポストです]

Posted by Pina Hirano at 2006年06月02日 12:32 | トラックバック
Comments
Post a comment









Remember personal info?